かぶせ茶とは?

かぶせ茶は煎茶と玉露のちょうど中間にあるお茶です。玉露や碾茶などと同じく、新芽の育成期間中に覆いをかぶせますが、玉露や碾茶が少なくとも20日間以上日光を遮るの対し、かぶせ茶は7~10日間程度と短くなります。玉露のようなこってりとした甘味や旨味はありませんが、煎茶よりも風味が穏やかで、苦渋味が苦手な方にもおすすめのお茶です。

品質の違い

価格が低いものは煎茶に近く、高いものは玉露に近くなります。いれ方によっても甘味を強くしたり、苦渋味を強くしたり、お好みによって分けることができます。

  • 甘み

    玉露ほどの深み、コク、奥行きはないが、まろやかさがある。そこそこに舌の上でじわりと広がる。良い意味で甘すぎない。

    煎茶に近く、ほのかに感じる。高温で出すと、ほとんど感じない。
  • 旨味

    派手さはないが、甘味の後にとろりと広がる。深みや奥行きは少ないが、こってりさがなく飲みやすい。

    ほとんど感じることができない。甘味の後に少し感じる程度で分かりにくい。
  • 苦渋味

    苦味、渋味が少なくなり、刺々しさも少なくなる。上品さがあり、苦渋味がさらりとなくなっていく。

    高温でいれると甘味よりも強く感じる。苦味よりも渋味が勝り、刺々しさがある。
  • 香り

    覆い香まではいかない、マイルド、温和、柔らかい印象のかぶせ香。

    単純で粗く、深みや広がりはない。香ばしさに勝る香りがない。
  • 色味

    表面に艶があり、暗さの少ない濃緑色。茶葉の中心が少し太く、両端に向かって細くなる形状。

    艶がなく、かさついている。平たく柔らかい茶葉が多い。茶殻に赤み、黄色みがあり、葉脈が目立つ。
  • 水色

    赤みが少なく、少し青みがかった緑色。くすみのない、若干のにごり。

    赤みを伴う、黄色。あまり赤みが強いものや、茶碗の底にたまる澱が黒みががると良くない。

淹れ方

お茶は入れる湯温が低いほど、甘味がでやすく、高いほど苦渋味が強くなります。かぶせ茶は苦すぎず、甘すぎない、煎茶と玉露の中間の特性をもっています。気分に合わせ、苦味を効かせたさっぱりと、甘味を引立たせてまろやかに。湯温を調整してみて下さい。

  • 甘味を楽しむ

  • 苦味を効かせる